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2012.04.26 Thursday  | - | - | 

「一九三四年冬−乱歩」久世光彦〜「特集・山本周五郎賞完全制覇」第7回

特集・「山本周五郎賞完全制覇」 本日は第7回1994年度受賞作品です。

 
乱歩降臨。久世さんはイタコですか?驚異のシンクロ率、シンジなんかめじゃないです。

1934年の妖しの昭和初期、とある洋風ホテルに潜伏逗留する乱歩。
食べて、寝て、世間話をして仕事して。ただそれだけが何でこんなに淫靡なのか。この表現力恐ろしい。乱歩の作品を読んでればなおのこと旋律です。
日常生活を記してあるはずなのに、ここにあるのは全くの非現実、時の止まった世界で1人だけ歩いているような孤独と不安を感じます。
行間から滲みだす妖しい色香が全編を覆い尽くして現実に戻る事を忘れてしまいそう、望んで落ちる麻薬の陶酔です。抜け出す事を望まない禁断の迷宮。どこまでも精神性に訴える小説になっています。

現実なのか妄想なのか、今なのか昔なのか、生きているのか死んでいるのか。
ここに描かれたものはすべてが妖艶な夢か幻。分析なんて野暮な事はおよしなさい、ゆっくり浸ればいいんですと読者に語るのは作者なのか乱歩なのか。
編集者との関係、他の作家との交流など「乱歩自身」を描きつつも、彼の創った小説世界に実際に入り込んでしまったかのような不思議な錯覚を覚えます。

美貌の中国青年の蒼い静謐に、美しい英国のメロディを奏でる金髪の人妻。噎せ返る赤い薔薇と梔子姫の白。
インクの様な闇色の黒い枠で仕切られたステンドグラスは乱歩そのもの。乱歩を構成する憧憬の象徴です。この小説自体が彩色のガラスで創られた「乱歩」という1枚のステンドグラス絵、見るものによって妖しく姿を変える光と闇の芸術といえます。

乱歩の小説も発表当時はただの娯楽本、文学作品として評価されていたわけではありませんでした。今のライトノベルの様な位置だったかと思います。
80年近く経った現在作品の文芸性は徐々に評価され、ついには今作の様な芸術的2次作品まで生み出すに至って、乱歩の先進性と共に今のライトノベルの80年後の未来に思いをはせる次第です。



余談:この小説(文庫版)の後書き解説は必読です。心打たれる「解説」に逢う事は稀ですが、この本の「解説」はホント素晴らしい!なんだか得した気分です。




 
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2009.05.15 Friday 02:44 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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