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2012.04.26 Thursday  | - | - | 

「芙蓉千里」 須賀しのぶ

※表紙がステキなのでUPで♪



気分爽快!

女郎屋に売られ、しかも器量が良くないからと、異国の最果て・露西亜の娼館まで流されてしまった12歳の少女のお話を読了し、私は今、気分爽快です。
これは決して、私が人の心を持たない鬼畜だからではありません。作家様がそう書いているのです。

女の子であった事を思い出し、 今、女であることを実感し、これからも誇りを持って女で生き続けられる。
この小説は作家様がすべての「女」(女性にあらず)に贈る讃歌とエールを形にした小説なのです。


苦界に望んで沈む女など普通はいない。
この娼館に集まる女たちも皆そうです。其々の哀れを抱えて毎夜、客の数を競うのです。ここに売られた少女2人も辛い生い立ちを背負っています。けれど作者はその哀れや業を描く事で苦界にもがき生きる女性の強さを描く、というありがちな道を選びません。かといって、「舞」という芸術分野で非凡の才能を持っていた少女が更に恵まれた運と機転で、運命を切り開いていく、という少女マンガ的ヒロイックドラマにも仕立てず、です。

花の名を源氏名にもつ女郎たちを、さらっと描いて通り過ぎていく様はまさに花園の花を愛でる感覚。
育つまでの苦労や時間を考慮に入れず、一番美しい(ドラマティックな)時だけを楽しむのです。
もちろんこの花園のメインは「芙蓉」ですから、彼女は一等地でたっぷりしっかり堪能できますが、でもやっぱり「鑑賞」。見られるために、魅せるために描かれた美しい夢の花です。


現実味がないかもしれません。美味しいトコ取りかもしれません。
でも、テーマパークや美術館はそういった楽しみ方をするところでしょう?それを娯楽施設=エンターテインメントと呼ぶのではないのでしょうか。ならばこの小説も同じです。
花園の花が人の手を借りているとはいえちゃんと命があるように、本来あるべきドロドロの業や情念を無視はせず、でも不快にならない程度の描写にとどめて、命の息吹を感じさせてから「女」讃歌を貫く。この絶妙のバランス。
これが出来るのは力(苦痛)の削ぎ方と加え方を身をもって知ることのできる「女性」だからこそです。これは女性にしか書けない「女」のためのエンターテイメントなのです。

なるほど、気分爽快なわけだ♪



でも…(ここより暗黒空間です、この作品がお好きな方はここまでにしておいて下さいませ)

作者様は読者層限定の「ライトノベル」ではなく、文芸作品を書かれるつもりでこの本を書いたと思ってました。だから、未来を読者におもねる、希望と切なさに満ちた胸キュンエンディングに心打たれ、これもまたアッパレ♪な気分だったのですが、何と続編があるそうな。

ええええっ?これで続編って言ったらもう、「ラブ」しかないじゃないの!
恋愛しか描かないオトメ小説なら、これ(1巻)ももっとしっかり大人の「ラブ」シーンを描いてくれないと!←変な意味じゃないです。

私がこれまで読み解いてきたことは何だったのか…。

食うにも困る餓死寸前の子供が踊りを習う、気力と体力の矛盾に満ちた余裕設定や、伊藤博文暗殺の時代に「最果て」まで流れてきた(=一族の恥的存在)華族の「次男坊」に湯水のように使える資金があるなど、数々の掘り下げ不足や大味描写は、このラストへの昇華のためには仕方ないか、と理解を示していたのにそれが全部パア、これでは昨今流行りの恋愛最終奥義(いわゆるH)までしっかり書きこむちょいエロオトメラノベになっちゃうじゃないの!それならそれでその作風を貫ぬいてくれればいいんだが(結果、好みじゃなくなり読まなくなったとしても)、それもないときたらこの大味をどう許せばいいのか…。

「女」の求める理想の具現として、男に「山村」(山の村=主人公が決して持てなかった故郷)と「黒谷」(真っ暗で底が見えない心の谷=現実の象徴)という名前をつけたところも、さすが「がんばれ☆オンナたち」小説だと感心すらしていただけに、なにやら口惜しいです。

通常、面白ければ「続き書いて〜っ」と狂おしくなるものですが、よもや「続き書かないで〜っ」と悶絶させられるとは…。


まあ、私がここでやめておけばいいだけの話なんですけどもね。…でも続編があるって知っても読むのをやめられる「本好き」ってこの世にいるだろうか…。
くやしーっ、読んでまうやろ(笑)





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2010.01.21 Thursday 14:48 | comments(2) | trackbacks(1) | 
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