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2012.04.26 Thursday  | - | - | 

「野村胡堂伝奇幻想小説集成」

「野村胡堂伝奇幻想小説集成」
「銭形平次」の生みの親・野村胡堂による、入手困難の幻想譚・伝奇小説を一挙集成。事件、陰謀、推理、怪奇、妖異、活劇恋愛……昭和日本を代表するエンタテインメント文芸の精髄。【限定1000部、新字・新かな】
【内容目次】
・「奇談クラブ」 第四の場合/左京の恋/鍵/枕の妖異/代作恋文/夢幻の恋/観音様の頬/音盤の詭計/大名の倅/暴君の死/運命の釦(ボタン)/乞食志願/食魔/第四次元の恋/お竹大日如来/結婚ラプソディ/白髪の恋
・「伝奇小説」 禁断の死針/百唇の譜/裸身の女仙/黄金を浴びる女/礫心中/芳年写生帖/大江戸黄金狂/天保の飛行術/江戸の火術/十字架(クルス)観音/猟色の果/幻術天魔太郎
時代小説や伝記物に詳しい選者様・末國善己氏によって丁寧に集成された野村胡堂の傑作短編集です
「銭形平次捕物帖」で有名な人情時代小説の大家がいったいどんな伝奇ものを?と興味を引かれたのがこの本を選んだそもそもの動機ですが、知らなかった…。こちらがルーツなのですね。

クラシカルでどこか懐かしい響きの日本語で語られる、妖しく儚い世界。そこはかとなく淫靡な空気も漂わせつつらエロティックな短編奇譚の数々にしばし現実を忘れて読み入ってしまいます。

サスペンスからラブコメまでこんなに守備範囲広いのか!(笑)と驚く「奇談クラブ」、月岡芳年(芳年写生帖)や浮田幸吉(天保の飛行術・「始祖鳥記」の人)も、この作家様が描くとこんなに哀しく愛に満ちた抒情派小説となるのね、と感に入ったり恐れ入ったりの「伝記小説」
ドイルの原書を中学時代に既に読んでいたという作者様が生涯書き続けた綺譚・奇談・ジュブナイル、どれもドイルへのリスペクトにあふれています。
あの「銭形平次」はここから派生した1作品にすぎかったのか、と納得できる気合の入った集大成
です。
選者様もいいお仕事してる…。この方の巻末解説を読んでから本編を読み返すとまた新たに楽しい。たまに珍解説もあるけど(笑)

ホームズ以外の作品が注目されなかったドイルのように「平次」以外の作品があまり著名ではない(私が知らないだけか、笑)作者様。
そこを高橋克彦氏は嘆いていらっしゃいましたが(それも本書で知った)、作者様はそれすら嬉しいことなのかもしれない、と思えてしまいました。

2段組でおよそ600ページ。
手元に置き、空いた時間に少しづつ読み進めて贅沢な時間を過ごす、そういう類の本だと思います。

私もそうしたかったな〜、でも高かったんだも〜ん(泣)←図書館で借りた




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2010.03.02 Tuesday 00:24 | comments(2) | trackbacks(0) | 
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