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2012.04.26 Thursday  | - | - | 

「廃墟建築士」 三崎亜記

久々に「本」に感動した。

毎回「面白かった」だの「感動した」だのと書評書いてませんか?とつっこまれそうなので早々に種明かしすると、今回は「本」そのもの、つまり装丁に感動したのだ。

なんて繊細でアートフルな装丁なんだろう。
硬めのトレス紙(だと思う)でカバーリングされた本作は、カバーと本体が合わさって初めて1枚の表紙「絵」として完成する。どちらかだけでは本の題名さえ読みとれないような凝った印字・構成だ。
そして本のタイトルが「廃墟建築士」?う〜ん、鳥肌ものの完成度。
本を活かし愛するのは「書き手」と「読み手」だとつい考えがちだが、この本からは普段見過ごしがちな「作り手」の愛を感じる。

作品の本質まで見極めたデザイン。誰かがこの本を手にする機会が少しでも多くありますようにとの作り手の祈りさえ伝わってくるようだ。手にした時、うかつにも涙が出そうになった。まだ読んでもいないのに(笑)
「作り手」がここまでの愛を注ぐ作品が面白くないわけがない。
この本には期待などしない。確信だけ持って読み進める。

ほらね、やっぱり面白い。



撤去される「7階」と運命を共にする女性。
崩れ去る「廃墟」を設計する建築士。
想いの結晶=本・「図書館」を躾ける調教師。
守る物のない「蔵」を守る蔵守。

本作に収められた4編のお話には自分の信念のために命を賭ける人物が必ず出てくるが、彼らの信念はすべて「建造物」と深い係わりがある。
建物とは人を守り野生と切り離すもの、ある意味人である証だ。
そこに人では持ちえない不思議の「力」を加えて、結果作者はこの世でもあの世でもなく、清もあり濁もある独自の世界を創り上げてしまった。

作者は溺れることなく「世界」を語る。
そこで起きる荒唐無稽を事実として淡々と語る。
だからこそ、さりげなさに潜む真意・彼らが一念に命を賭する意味を一層深く考えてしまう。

そして賭した命は無駄にはならず、想いを継ぐ者があらわれるという各話の結末。これは作者の考える殉教者の記録、聖者の列伝「黄金伝説」なのだと思う。

伝説は更に伝える。
(おそらく文学の世界で)彼らのように生きていこうと思う書き手の決意を。
彼らのように殉ずるに値する信念を今あなたは持っていますか?という読み手への問いかけを。


作り手の祈りも、書き手の意志も、読み手の懐疑も、最後は綺麗に重なって同じところに辿りつく。
辿りついた答えに、救われる。









※こちらは10/30付・bk1書評ポータルの「なるほど」書評に選んでいただきました。ありがとうございます。
評価:
三崎 亜記
(2009-01-26)

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